一般的な個人住宅の賃貸借契約は、貸主(家主)が必要となる改修や修理・修繕等を行い、良好な状態で賃貸をします。 |
しかしながら貸主には改修費用を独自に負担することは難しいが現状のままであれば貸してもいいというニーズがある一方で、借主(入居者)には自分の好みの改修を行いたいというニーズも見られます。 |
ここでは借主が改修費用を負担してDIY工事を実施する場合を想定して、ご提案致します。 |
貸主のメリット | 借主のメリット | ||
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・現在の状態で賃貸でき、修繕の費用や手間がかからない ・借主がDIY工事を行うため愛着が生まれ長期入居が見込まれる ・明渡し時に設備・内装等がグレードアップしている |
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・自分で好みの改修ができ、持家感覚で居住できる ・DIY工事費用を負担する分、相場より安く借りられる ・DIY工事部分は現状回復義務をなしとすることもできる |
借主の自由な発想で、棚・押し入れ・キッチン・床や壁紙を改修できます。 ほんの一例を紹介します。 |
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借主の場合![]() |
・DIY工事可能として入居者を募集 ・必要な情報を提供(図面や修繕履歴など) ・DIY工事内容や原状回復などの取り決め事項について借主と協議 |
STEP 1 物件募集・ 事前協議 |
・不動産会社店頭や不動産情報サイトなどでDIY工事可能な賃貸物件を探す ・貸主や管理会社に実施可能なDIY工事を確認 ・物件の内覧、具体的なDIY工事の検討、必要に応じて図面・イメージ写真等の準備 ・DIY工事内容や原状回復などの取決め事項について貸主と協議 |
・賃貸借契約書の取り交わし ・借主が希望するDIY工事の内容が記載された申請書に対し、承諾書を交付 ・合意書の取り交わし |
STEP 2 契約 |
・賃貸借契約書の取り交わし ・希望するDIY工事の内容を記載した申請書を提出し、貸主から承諾書をもらう ・合意書の取り交わし |
・立ち会い確認 ・DIY工事の予定箇所を写真に撮るなどして保存 ・DIY工事が申請書通りの内容かどうかチェック |
STEP 3 DIY工事 |
・施工方法について専門業者への相談のほか、書籍やインターネットで情報収集 ・DIY工事前の立ち会い確認や写真保存 ・ホームセンター等で材料を揃え、DIY工事を実施し、写真保存 |
・DIY工事部分以外の管理・修繕の実施(一般的な賃貸借契約と同様) |
STEP 4 入居中の管理 入居中のDIY工事 |
・DIY工事部分の管理・修繕の実施 |
・立ち合い確認
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STEP 5 明渡し時 |
・DIY工事部分は原状回復なしで明渡し ・立ち会い確認 ・DIY工事部分が通常使用できる状態にない場合は補修 |
DIY賃貸のなかでも、借主が改修を行う場合、貸主の所有物に手を加えることになりますので、工事内容や明渡し時の原状回復の有無など、あらかじめ決めておくことが必要と考えられます。 |
所有権について | 工事部分に関する所有権が借主と貸主のどちらにあるのかを、当事者間の合意により取り決めます。 |
明渡し時の収去と 原状回復について |
工事部分について、明渡し時に残置するのか撤去するのか取り決める必要があります。 ・残置する→本来有する機能が失われている場合において、補修を求めるかどうかを決めておく。 ・撤去する→原状回復義務の有無、さらにどこまで原状回復を求めるか決めておく。 |
精算について |
DIY賃貸では、原状回復を免除したり、契約期間中の家賃を安く設定したりする代わりに、費用請求の権利を放棄する場合もみられます。 費用の精算の有無についてはあらかじめ定めておく必要があります。 |
施工について | DIY工事の際に住宅本体や第三者に損害を与えた場合の責任の所在を明確にする必要があります。 |
管理・修繕について | 入居期間中の管理・修繕を誰が行うかを明確にする必要があります。 |
参考資料:国土交通省「DIY型賃貸借のすすめ」
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